はじめに
資産形成、自分年金を目的として投資を始めて1年ほどですが、自分年金のための投資で高配当もしくは増配の米国ETFは何かいいものはないか探しています。
(私の資産形成の方針はこちらの投資はじめて1年の振り返りにまとめています。)
今回は、米国の増配ETFのRDVY(正式名称:First Trust Rising Dividend Achievers ETF)について調べてみました。
(RDVYと他の米国増配ETFと比べた記事はこちら)
こんな人の参考になれば幸いです。
・米国の増配ETF RDVYについて知りたい人
・米国の増配ETFを探している人
調べた事から、個人的には次のようなETFだと感じます。
・分配金利回りは高くはないが、長期的には増配率が大きく将来高分配になる期待ができる
・経費率は高め
・値動きは景気の影響を受け易そう
以上から経費率、景気の影響を受けやすい感じからサテライトとして投資するのが良さそう。
こちらは過去の実績を調べた結果をまとめたもののため、将来の成績を保証するものでありません。投資は自己責任になりますので、その点はご承知おきください。
では、調べた結果を見ていきましょう。
2023年11月11日追記
RDVYは新NISAの成長投資枠で購入できる海外ETFに入りました!
新NISAの成長投資枠で購入すれば、分配金にかかる日本の税金は免除されます。
(米国の税金は免除されないので、その点は留意しましょう。)
新NISA対象の海外ETF(楽天証券より)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/pdf/info20230621-01-foreign.pdf
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RDVYについて
概要
RDVY(First Trust Rising Dividend Achievers ETF)は米国上場の増配・増益傾向にある銘柄を 厳選して50社に投資しているETFで、the NASDAQ US Rising Dividend Achievers Indexのパフォーマンスに連動する投資成果を目指しているETFです。
販売会社:ファースト・トラスト社
設定日:2014年01月06日
純資産総額:7,960.79(百万米ドル) (2023年6月30日時点)
経費率:0.50%
構成銘柄数:50社
分配金利回り:2.31%(2023年7月時点の直近12ヶ月)
決算月:3, 6, 9, 12 (年4回)
(RDVYファクトシート、銘柄詳細より)
設定日から10年近く経っており、純資産総額が約80億米ドル(日本円で1兆円近く)あるため、
流動性(売買のし易さ)は、問題ないでしょう。
連続増配のため、分配金利回りは2.31%とそんなに高くありません。分配金については、増配により将来の利回りが高くなることに期待です。
また、経費率が0.50%と結構高いです。。。
組入条件(RDVYファクトシート、銘柄詳細より)
銘柄の組入条件は以下のようになっています。
the NASDAQ US Rising Dividend Achievers Indexのパフォーマンス(手数料および経費控除前)に連動する投資成果を目指しており、以下の要件を満たす銘柄が当指数に組入れられる。
• 直近12か月の配当金が、3年前と5年前の12か月の配当金を上回ること。
• 直近決算期一株当たり利益がプラスで、3期前の一株当たり利益を上回ること。
• 現金負債比率が50%を超えること。
• 直近の12か月の配当性向が65%未満であること
上記要件を満たした対象銘柄は、5年間で配当金が増加しているか、直近の配当利回り、配当性向の 要素を加味してランク付けされます。
合計ランクが最も低い構成対象50銘柄が組入銘柄として選定されますが、業種ごとの上限は30% です。
当指数の銘柄の加重比率は組入当初時及び各リバランス時で変わりません。
当指数は年に1回再構成され、四半期毎にリバランスされます。
(RDVYファクトシート、銘柄詳細より)
ざっとまとめると、
・増配をしている
・1年前より、1株あたりの利益が増えている
・成長のために投資ををしており、将来の成長が見込める
といった企業の中から選抜した50社に投資をしているETFと言えそうです。
また、上の組入条件の赤字の記載のように、対象銘柄をランク付けして組入銘柄を選定しているので、この点が経費率が高くなっている要因になっていると思われます。
この点から、指数連動を目指しているとありますが、アクティブよりの運用かなと感じます。
構成セクターと銘柄
構成セクター
ファクトシート(2023年3月31日時点)に記載のある構成セクターをグラフにまとめるとこんな感じです。
これをみると、金融、資本財・サービス、基本素材、テクノロジー、一般消費財と好景気時に良いセクターが3/4を占めています。
不景気時にはそれなりに下落する感じで、あとで示すチャートからも不況時は市場全体よりも下落率が大きくなる感じです。
設定がリーマンショック以降なので、経験している不況はコロナショックのみのため、データがあまりないですが、不況時は下落幅が市場全体より大きくなる傾向がありそうです。
構成銘柄
RDVYの保有上位10銘柄は次のとおりです。(ファクトシート(2023年3月31日時点)
銘柄 | 構成比率[%] | 概要 | |
1 | Accenture Plc | 2.16 | 総合コンサルティング会社 |
2 | Freeport-McMoRan, Inc. | 2.13 | 鉱山会社 |
3 | Popular, Inc. | 2.13 | 銀行 |
4 | Magnolia Oil & Gas Corporation (Class A) | 2.10 | 石油・天然ガス会社 |
5 | Chord Energy Corporation | 2.09 | 石油・天然ガス会社 |
6 | Civitas Resources, Inc. | 2.09 | 石油・天然ガス会社 |
7 | The Interpublic Group of Companies, Inc. | 2.08 | 広告・マーケティング会社 |
8 | Exxon Mobil Corporation | 2.07 | 石油・天然ガス会社 |
9 | Omnicom Group, Inc. | 2.07 | マーケティング・コミュニケーション会社 |
10 | Huntington Bancshares Incorporated | 2.05 | 銀行持株会社 |
個人的には聞いたことがない会社が上位を占めています。
知っているのは、エクソンモービルくらいです。(私が知らないだけかも知れませんが。。。)
金融セクターが全体の約30%を占めますが、上位10銘柄には2銘柄のみです。
上位10銘柄は全て2%台なので、全50銘柄なので構成比率は、どの銘柄も2%前後となります。
時価総額加重平均ではなく、ほぼ均等平均で組入されています。
設定来の運用実績
設定来のチャートを、米国市場全体という点でS&P500と、構成セクターの約3割を占める金融セクターのETF VFH(Vangurd FinancialIndex ETF)と比較して表示するとこのような感じです。
赤:RDVY、黄色:S&P500、紫:VFH
チャートを見ると、右肩上がりで上昇しており、長期で成長していることが確認できます。
設定来の騰落率は185.99%となっています。
S&P500と比較するとこのように感じます。
・設定来から2020年のコロナショック前までは、S&P500と同等または良い成績。
・コロナショックの大底は同じくらいのため、不況時の下落率はS&P500より大きい。
・コロナショック後の上昇相場ではS&P500より成績が良い。
・2022年の下落相場では、同じような動きで下落しており、その後の回復はS&P500より
若干良いように見える。
VFHとの比較するとこのように感じます。
・コロナショックまでは、ほぼ同じ動きをしている。
・コロナショックでは、同程度の下落。
・コロナショック以降の上昇相場は、RDVYの方が成績が良い。
・2022年以降は絶対値が異なるが、設定以来から値動きの上下の動き方はとても似ている。
以上から、次のことが言えそうです。
・上昇相場では、S&P500と同等もしくは、それ以上の上昇が見込める。
・逆に下落相場では、S&P500よりも大きな下落となる。
・値動きは、構成比率のが最も金融セクターと同じような動きになる。
分配金
実績
設定以来の分配金の推移はこのような感じです。
分配金の増配率とETF自体の値動き[%]に関連があるかと思い、値動きも合わせて表とグラフにまとめています。
年 | 分配金[米ドル] | 増配率[%] 前年比 | ETFの値動き[%] (米ドル、ネット) |
2014年 | 0.41630 | 0.00% | 16.04% |
2015年 | 0.36880 | -11.41% | -2.86% |
2016年 | 0.50950 | 38.15% | 21.86% |
2017年 | 0.37230 | -26.93% | 22.58% |
2018年 | 0.44550 | 19.66% | -9.71% |
2019年 | 0.55700 | 25.03% | 37.58% |
2020年 | 0.61110 | 9.71% | 13.30% |
2021年 | 0.53890 | -11.81% | 31.17% |
2022年 | 0.96910 | 79.83% | -13.28% |
毎年着実に増加とはなっていませんが、右肩上がりで増えてきています。
設定来約9年で分配金が倍以上になっているのが凄いですね。
分配金は、ETFの値動きとはあまり相関がなさそうですね。
ETFの値段が上昇しても分配金は下落することもありますし、その逆もあります。
ちなみに、今年2023年の分配金は3、6、9月の実績は昨年よりも増加しています。
今年の後半はどうなるでしょうか。
分配金[米ドル] | 分配金[米ドル] | ||
2022年3月 | 0.15410 | 2023年3月 | 0.21140 |
2022年6月 | 0.22160 | 2023年6月 | 0.30210 |
2022年9月 | 0.21780 | 2023年9月 | 0.22410 |
2022年12月 | 0.37560 | 2023年12月 | ? |
分配金の増配率
分配金の増配率は、設定以来で見ると、年平均11.14%となります。
かなり高い増配率だと言えます。
これが、今後も続くと仮定して、分配金の増加を見てみるとこのようになります。
なんと、20年後には8.27倍となります。
現在の分配金利回りが、2.31%なので、20年後は19.10%になります。すごいですね。!
今後もこの高い増配率が維持されるのは難しそうですが、とにかく実績はすごいです。
さいごに
米国の増配ETFのRDVYについて調べてみました。
まとめると、次のようなETFということが言えると思います。
メリット
・運用実績は右肩上がり。設定来約9年で約185%。
・設定来の増配率が約11%ととても高い。
・過去実績は上昇時はS&P500より運用成績が良く、現時点では今後もその傾向がある。
デメリット
・経費率が0.50%と高い。
・下落時はS&P500より下落する傾向がある。
その他
・平均すると大幅増配しているが、増配が少ない、もしくは減配する年もあり安定はしていない。
・金融セクターの値動きと似たような動きをする傾向がある。
以上のことから、将来の高分配金が期待できる一方、経費率、景気の影響を受け易そうなため、サテライトでの運用がいいのかなと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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